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栽培の魅力について知ろう!

栗栽培を成功させる秘訣は、まずその魅力について知ることです。栗を育てるとどんな良いことがあるのかあらかじめ知っておくことで、栽培のモチベーションがアップし、より愛情を持って大切に育てられるはずです◎

ここでは栗栽培の魅力について詳しく解説するので、特にこれからはじめて栗を育ててみたいと思っている人は、ぜひチェックしてください。

美味しい栗を気軽に味わえる

栗は秋の味覚を代表する作物で、限られた時期にしか出回らない分、スーパーなどで購入すると、ややお高いですよね。

しかし家庭菜園で育てれば、旬の美味しい栗を家族みんなで思う存分味わうことができます◎栗の実は、木1本から約2.5kgほど収穫できるといわれていて、市場では2,000円~3,000円相当の量を収穫できるんです。

近年、値上がり傾向にある栗を自宅で気軽に食べられるのは、かなりオトクな気分ですよね。

何十年にもわたって収穫を楽しめる

栗の木は、品種にもよりますが数十年にわたって実りを楽しめ、中には樹齢50年や100年になるものもあるといわれています。

栗が実りはじめるのは樹齢3年目頃からなので、上手に育てれば子どもや孫の世代まで栗の木を受け継ぐことができます◎もちろん、日々のお世話や管理は必要ですが、秋に庭先で栗の収穫を何十年も楽しめるのは、樹齢の長い栗の木ならではの魅力でもあります◎

栗栽培を通して食育に繋がる

栗は、コツさえおさえれば初心者でも簡単に育てることができ、数十年もの間、実を収穫できます。ただ、栗に限らず作物を育てるには剪定や病害虫対策など、大変な作業もこなさなくてはなりません。

しかしそのような苦労を経て、収穫した栗の味わいは格別。また栗は収穫するのにもコツが必要で、栽培から収穫、食べるまでが貴重な経験となります。

食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがった栗の美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、栗栽培はおすすめですよ◎

栗の育て方・栽培方法の紹介!

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ここからは、栗栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!

栗は自家不結実性のため、実をつけるためには2品種、2本異常の苗木を栽培する必要があります。日本栗のおすすめ品種は、渋皮のむけやすい「ぽろたん」や「白栗」です。栗の苗木は、ホームセンターや通販などで手軽に購入できます。

今回は地植え、鉢植えそれぞれの場合の栽培方法を紹介するので、栽培環境や敷地の広さによって、どちらで育てるのが良いか検討してみてください◎

植え付け・定植の方法と時期

栗の栽培は、まず購入した苗木を植え付ける作業から開始します。先ほど紹介したように、栗は自家不結実性のため、苗木は最低2品種、2本以上を用意しましょう。

また苗木を選ぶ際は、収穫時期の近い品種どうしを揃えておくと、育てやすくておすすめです◎栗農家の間でよく受粉樹に用いられる「ぽろたん」は、中生品種です。

栗の植え付け適期は、11月上旬から12月上旬にかけての晩秋です。それでは地植え、鉢植えそれぞれの場合の植え付け手順とコツについて見ていきましょう!

地植え

地植えの場合、植え穴は大きいほど良いといわれています。植え付けの際、土に多量の有機物を入れればより生育が良くなるため、深さ50~90㎝、直径80~100㎝を目安に植え穴を掘っておきましょう。

また栗は日の光が当たらないと実をつけ辛く、下枝から枯れてしまう恐れがあります。そのため地植えする際は5.5m四方に1本の間隔で植え付け、株どうしが日の光を遮り合わないよう配慮します。

ただし痩せ地の場合など地力の低い所では、あまり間隔を開けると生育不良を起こす可能性があるため、少し狭めの4.4m四方を目安に植え付けるようにしましょう。

鉢植え

鉢植えの場合、市販の培養土に赤玉土40%と川砂10%を混ぜたものを使用すると、乾燥・過湿を防げるためおすすめです◎

また栗は成長が早いため、鉢は最初から10号以上のものを用意しておくと良いでしょう。ただしプラスチック製は避け、素焼きテラコッタやファイバークレイポットを選びましょう。

植え付ける際は、鉢と苗木の間に隙間ができないよう、鉢を揺らしながら土をくまなく入れていきます。土は鉢全体の8分目くらいまで入れ、接ぎ木の部分から30㎝くらいの高さで先端を切り戻し、最後に水をたっぷりと与えれば完成です。

定植後の栽培管理と頻度

栗の苗木は植え付け後3~4週間ほどで活着し、穂木の芽が動きはじめます。この時期に生えてきた台芽は早めにかきとっておきましょう。

また幼木のうちは病気や害虫の被害を受けやすいため、こまめに様子を観察し、早めに対策することが丈夫な木に育てるうえでとても重要になります。

水やり

地植えの場合、水やりは基本的に不要で、雨水のみで十分育ちます。また水はけの悪い所では、過湿を防ぐため畝を作っておくと安心です。

鉢植えの場合、真冬は1週間に1回程度、春と秋は3~5日に1回程度で十分ですが、夏場は毎日欠かさないようにしましょう。鉢植えは一度乾燥させてしまうと生育が極端に劣り、最悪の場合、木が枯れてしまうため注意が必要です。

肥料・追肥

栗は成長していくにつれ、吸収する養分が変化します。窒素の吸収は3月上旬から始まり、発芽して枝が伸び、花を咲かせて実をつける過程で必要量が増加します。しかし実の成熟期以降は、緩やかに減少していく傾向です。

リン酸の吸収は、生育期間を通して非常に少なく、増減もあまりありません。カリの吸収は開花後の7月上旬頃から急激に増し、成熟期まで窒素と同様に増加します。

従って栗の元肥は、根の活動が始まる3月上旬に合わせて12月中旬頃に施し、他にも夏肥と秋肥をそれぞれ施します。樹齢1年目は窒素とカリを1:1の割合で、2年目以降は窒素とカリを同量、その半分の割合でリン酸を混ぜた肥料を施すのがおすすめです◎

整枝・剪定

栗の最も望ましい樹形は、「変則主幹形」といわれています。この樹形を目指すために、幼木のうちは整枝を中心に行い、主枝本数を3~5本残し丈夫な骨組みをつくります。また日当たりの悪い枝が出ないよう、徒長枝や結果母枝を間引くことも忘れずに行いましょう。

鉢植えの場合は2年目以降、3月中旬までに前年に伸びた新梢のうちバランスの良い3本だけを残して、ほかはすべて切り落とします。残した枝は、それぞれ先端から3分の1程度のところで切り戻して整枝します。

病害虫対策

栗栽培で最も注意しなければならないのは、モモノゴマダラノメイガやクリシギゾウムシです。どちらもイガの外側から実の中へと侵入し、卵を産みつける害虫で、よく見ると栗に小さな穴が開いているのが分かります。

一度虫の幼虫が入った栗を実は、食べる気がしませんよね。せっかく実が育ったのに、その多くに虫が入り込んでいては台無しです。定期的な薬剤の散布と、収穫後のイガや被害果をそのまま放置せずに焼却するなど、防除を徹底して行いましょう。

収穫・貯蔵

植え付けから3年ほど経つと、いよいよ栗の実が収穫できるようになります。栗はイガの中に1~3個入っていて、裂果して落ちたものを拾って収穫していきます。

栗のイガは鋭く、手に当たると痛いので注意しましょう。トングを使って拾うか、足でイガを割って完全に実からはがした状態で拾うと安全ですよ。

また栗は貯蔵性に富んでいるので、収穫後、一定期間貯蔵することもできます◎貯蔵する際は、通気性の良い容器を用意し、実を濡らさず温度が上がらないように注意しましょう。冷蔵庫で貯蔵する場合は、ポリエチレンの袋に入れて密封し、翌年2月頃までを目安に食べきりましょう。

栗栽培でよく発生する問題と原因

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栗栽培は、苗木と栽培場所さえ確保できれば、地植えでも鉢植えでも育てられ、初心者でも美味しい実を収穫することできます。しかしちょっとした見落としで失敗してしまうこともあり、必ずしも成功するというわけではありません。

そこでここからは、栗栽培でよくある問題とその原因について紹介します。はじめての栗栽培で失敗しないためにも、ぜひチェックしてくださいね◎

花が咲かない

栗を育てているけれど、一向に花が咲かない場合、剪定不足や剪定し過ぎが原因として考えられます。

必要な剪定を怠ると、木は枝を伸ばすことに栄養を使ってしまい、花芽をつけにくくなってしまいます。また強剪定といって、枝の大部分を毎回切り落としてしまっていると、花を咲かせる部分までなくなってしまい、結果的に花が咲きません。

栗の木を剪定する際は、あくまでも徒長した枝など余分なものだけを切り落とし、樹勢を調整することが大切です。

実がならない

栗の花は咲いたものの、肝心の実がならないという問題も、栗栽培ではあるあるです。これは、木の栄養不足や受粉の失敗が原因として考えられます。

栗は成長が進むにつれ、肥料の必要量が多くなり、十分に栄養が行き届かなければ実をつけるエネルギーが不足してしまいます。先ほど紹介したように、木の成長過程や樹齢ごとに必要な肥料を与えるよう心がけましょう。

また栗は自家不結実性のため、実をつけるには異なる品種を近くで栽培する必要があります。この条件さえおさえておけば、基本的には風や虫の力を借りて受粉できますが、環境によっては自然授粉できない場合も。不安なときは、筆などを使って人工授粉も試してみてくださいね。

木が枯れてしまう

せっかく育てた栗の木が、わずか数年で枯れてしまった。これは最悪のパターンです。原因としては、初年の実りで摘果が甘かったことが考えられます。

栗の木は苗木から育てはじめてから、3年目頃に実をつけはじめます。このとき、成熟前の実をある程度摘果しておかなければ、翌年に実をつけるエネルギーが残らず、最悪の場合、木が枯れてしまいます。

特に若木のうちは樹勢が強く、たくさんの実をつけますが、大量収穫したいからといって摘果を怠ると、たった数年で木がだめになってしまうこともあるため、最終的に実として収穫する数はある程度調整しましょう。

まとめ

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今回は、栗の育て方について紹介しました!

栗はコツさえおさえれば、初心者でも美味しい実を収穫できる、家庭菜園向きの植物です。地植えでも鉢植えでも育てやすいので、栽培環境や敷地面積に合わせて、栽培方法を選んでくださいね◎

また栗の木は樹齢がとても長く、上手に育てれば何十年もの間、実りを楽しむことができます。家族みんなで大切に育て、受け継いでいけるのも、栗栽培の大きな魅力ですよ♪


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